おはようございます!
九州産の無農薬有機栽培で頑張っている
福岡県福津市唯一のビーツ農家ゼロファームの宮本です。
園芸やってる人なら少なからず気にされてると思いますが、土壌酸度は測ってますか?
土壌酸度って何?って思ったあなた!
ひょっとしてうまく野菜や植物が育たないのは土壌酸度のせいかもしれません!
今回、ファームであったトラブルも含め、ご紹介!
目次
1.土壌酸度とは
水の酸性、アルカリは聞いたことがある人も多いと思いますが、
実は土にも酸性、アルカリ性があります!
これが土壌酸度と呼ばれて、水と同じように「pH(ピーエイチ、またはペーハー)」で表示されます。
これは土壌の水素イオン濃度を表す値ですね。
「pH 7.0」が中性となっています。
これより数字が大きいほど水素イオンが少ない=「アルカリ性」
これより数字が小さいほど水素イオンが多い=「酸性」
です。
なんで数字が大きい方が水素イオンが少ないかというと
濃度[mol/L]の対数で表してるから、とか細かいことを語ると長くなりますが、
要はpH7に数字を1つ近づけるには10倍の水の量が必要ということを表してる。
つまり、
「pH14」の液体が1Lなら、
「pH13」にするには水で10Lになるように薄める。
といった感じです。
ただし、中性のpH7に限りなく近づくだけで、pH7を超えることはありません。
細かいことはこちらへ(wikiへ丸投げ)
2.土壌酸度の測定
土壌酸度を測るには測る方法がもちろん必要です!
某名探偵のように「ぺろっ これはpH6.3 !?」
とか、できたらプロっぽいのですが、そもそも人肌も酸性寄り。
石鹸であまり洗うと肌荒れするのは肌バリアが酸性でもあるからですね。
そんなわけで、土壌酸度を測るには道具を使います!
大きくは個人的には三種類。
- 電池なし型
- 試薬型
- 電池あり型
・電池なし型
地面に正にぶっ刺すだけという簡単方式!
正確には端子をサンドペーパーで軽く磨く必要があるのもあるんだけど、
それは取説に従ってください。
個人的に一番欲しいのは
1.シンワ測定 土壌酸度計 A 72724
シンワ測定(Shinwa Sokutei) 土壌酸度計 A 72724
シンワ測定株式会社のHPもしっかりしてるし、取説のpdfもあって
信頼性が高い。Amazonの評価もなかなか!
2.竹村電機製作所 土壌酸度計 DM-13
こちらも有名でホームセンターで一番見る機械。こちらは九州の福岡県だけど、
本当によく見る。思わず前述のシンワ測定と間違えるほど。
正直、ホームセンターで座り込んでスペックを見比べてた。
3.高儀 畑サイクル 簡易土壌酸度計 260mm
本音で言うとあまりおすすめじゃない。個人の体験なので
実際は大丈夫なんだと思われるが、どうだろうか?
詳細は後述。
・試薬型
こちらも電池はいらないけど、土壌を採取して精製水で割ったりと、ちょっと手間がかかる。
でもその分、窒素、りん、カリウムなどを測れたりする。
難しいのは判定方法。色見本と現物が比較に慣れがいるとよく言われてる。
ゼロファームで買ったのはこちらの「みどりくん」。
1.みどりくん スターターキット 農大式簡易土壌診断キット
値段はお高いけど、土壌のレベルを簡易的に測れるのは非常におすすめ。
プロ農家ならプロの土壌測定を頼めば、と言う説もあるけどやはり高い。
色見本が見にくいと言うのを踏まえて透明なプラスチック板(フィルム?)に試薬紙があって
表面には泥水がついて汚染されても、裏側のプラスチック板との接触面は汚染されない。
その汚染されてない面と色見本を比較する、と言うのが他よりいいんじゃないかと思った。
あと、窒素、りん、カリウムが見られるというのも利点。
ただ、時間経過で反応試薬の色が変わるらしいので要注意!
タイマー持ってカメラ構えて見逃しても後で比較できるようにせねば!
もし、この土壌キットに毛の生えた程度の値段で
土壌検査してくれるところがあれば教えてください。
2.PH4.5-9.0試紙、PH試験紙、2色精密試験紙、1箱100枚入り
PH4.5-9.0試紙、PH試験紙、2色精密試験紙、1箱100枚入り
これは本当に悩んだけど、試薬型の難しさは前述の通り、
色見本との比較。これができないと検査の意味がない。
そして土壌酸度は土を水で割ってその泥水にこの試験紙を入れるから
泥汚れがつくと判断不可能じゃないか?
というので選別から消えた。
3.パナソニック pH試験液 TK805003
液体型試薬。こちらも2.と同様に水で割った分に直接試薬を入れて
色変化から確認。液体が透明な分、ますます難しいんじゃないかな?
・電池あり型
電池式は土壌酸度以外にも照度や水分度、地温が測れるタイプがあります。
うちの畑は露地栽培なので、水分度はともかく照度は測れても
せいぜい晴れ乞いする程度しか明るさを調整できないので、
特に検討なし。
家庭でのプランター栽培や観葉植物の栽培には使えるかも!
1.シンワ測定(Shinwa Sokutei) デジタル土壌酸度計A 地温 水分 照度測定機能付き 72716
シンワ測定(Shinwa Sokutei) デジタル土壌酸度計A 地温 水分 照度測定機能付き 72716
前述の通りの地温、照度、水分量が測れるタイプ。測定精度もまぁまぁいけそう。
露地栽培に置いてはそれぞれの項目が測れても、そこまで細かく調整できないので見送り。
3.種類によって違う植物の好む酸度
ほうれん草とかは土壌酸度が中性に近い方がいいモノの代表みたいなモノですね。
植物は自分の根っこから酸を出して栄養を溶かして吸収してる。
その時に周りの土のほうが酸度が高すぎると栄養が吸収できない。
また、逆に周りがアルカリ性だと病気が多くなりやすい。
時折、こう言うのを真面目に調べると自分も勉強になる。
やっぱり人に伝えるためには適当なデータは不味かろうと言うところから
一次情報(農林水産省とか)を参考に自分も調べなおし。
それこそ、ほうれん草とか「土がアルカリの方がいいんだ」と言う人がいて
pH7.5あたりを目指そうとしたりするけど、どんな植物も「中性まで」
それいじょうはやっぱり危ないし、アルカリ地になると戻すのは大変なのでご注意!
これでわかるようにほうれん草は6.5〜7.0の範囲。
ほぼ、中性。
逆に多くの野菜が6.0〜6.5の範囲にとどまっているのがわかる。
さらに根菜類は土壌の菌の多さから病気にやられやすいのか
ジャガイモや生姜は5.5〜6.0の範囲にあって、他の植物より一段と酸性で元気。
生姜は連作が非常に難しく、プロの農家の方は
毎年、土壌消毒、農薬施薬してようやく取れると聞く。
もし家庭菜園で挑戦するなら
土も殺菌の土を買えるので
無農薬生姜とか作れたら
店売りも珍しい貴重品が作れたと胸を張れるレベルです!
4.土壌酸度の調整
本当にアルカリ性に傾いてしまうと大変なので
適量を入れるように注意しましょう!
あと、強力なアルカリ性土壌改良剤は
目や鼻にも影響するので散布の際には要注意を!
おすすめ順に書いていきます。
1.苦土石灰
マグネシウム(苦土)も入っているゆっくり聞くタイプの土壌改良剤。
それでも使用量はよく読んで気をつけていきましょう!
微量栄養素であるマグネシウムも入っているのと
効き目が強いわけではないタイプなので
使い勝手も良くおすすめです。
粉状タイプと粒状タイプがあります。
2.有機石灰(牡蠣殻、卵殻、など)
有機にこだわるならこちら。ゼロファームもこちらを使っています。
お値段はこの中で一番高い。
自然界にある石灰質(牡蠣殻、卵殻、など)を乾燥させ粉末にしたモノ。
非常にゆっくりした効き目で土壌改良に使うなら早めに漉き込みたい。
逆に効き目が弱い分均等に入れやすいとも言える。
3.消石灰
一番安く、プロの慣行農法の方がよく使われる土壌改良剤。
アルカリ性が強く、皮膚や目、鼻など粘膜にも影響しやすいので
散布の際は要注意。
その分、使う量が少なくて済むのでコスパは良好。
ただ、少量で効くと言うことは、ちょっと偏っただけでも
同じ畑の中でアルカリ性の強い場所と弱い場所ができる。
均等な散布機があればやりやすいかも?
個人的には家庭菜園では非推奨です。
まとめ
- 土壌には酸度があってpHで測定することができる。
- 酸度計は様々なものがあって窒素、リン、カリウムが測れるものも。
- 育てる植物によって育ちやすい酸度が違う。
- 有機なら有機石灰、こだわりがないなら苦土石灰がおすすめ。
また、詳しい量などは実際にゼロファームの実施によって報告したいと思います!
余談
ファームで使ってた土壌酸度計が動いてる風で壊れててですね。
地面に刺した瞬間、大きく触れて
1分くらいしてpH7に向かって動くわけです。
これで動いてるんだな〜と思ってたら、
どこ刺してもそんな動きなわけですよ。
で、ちょっと怪しいんじゃないか?と思って
家に持ち帰って 酢 と 重曹水 に漬けてみたら
どちらもpH7!!!?
信用できるものを買いましょうと言うお話。
あんまり安いので校正(動作確認)できない時は
本当に正しく動いているか怪しいと思っていいかと!
ファームの土壌酸度計も日本の有名メーカーのものでしたが、
本体裏には「made in (日本ではない)」の文字。
名前を貸してるだけのブランド品だとこう言うこともあります!
気づかなかったらまた一年無駄にするところだった!
無農薬、有機栽培のビーツや土壌改良でお悩みの方は是非ゼロファームまで!